構文英語から英会話へ

 

 この記事は、「学校に通っているのに、英語が話せない。」と感じている人を想定しています。もちろん、英語を学んでいる人や、英語だけではなく、他の様々な言語を学んでいる人にも読んで頂ければ幸いです。 

 日本では、英語のイメージは文法に即して英文を理解することです。そして文法を用いる観点から穴埋めでテストが行われます。ここでの問題点は、「発言に答えがあり、その答えを知らないから、出来ないんだ。」と思っている事です。 

 あくまで想像なのですが、言語を教えることが仕事の人を除き、日本語で話す内容を外国人に対して「文法上の語と語の関係を外国人に説明して下さい。」と言われても、出来ないことが大半ではないでしょうか。これと同じように、外国人が英語を日本人に「文法上の語と語の関係を説明して下さい。」と言われてもスラスラと説明できる人の方が少ない可能性があると思います。 

 どの学問もある程度、暗記内容があるのを承知の上で、例えば「熟語」です。「この語は、この並びのセットだから、ひとまとめに覚えて。」と言われるかもしれません。ですが、実は、そういった「熟語」は、その言葉の使い方の”代表例”でしかないのです。これは、英語を用いる時に、必ず、その英単語の語順で使わなければならない、と決まっているわけではないという事です。覚えていることを否定しているのでは、ありません。英語も日本語と同じように、言葉なんだから文脈で理解するということです。 

 それでは、言語を文脈で理解するとは、どういうことでしょうか。 

詳しく見ていきましょう。 

 

以下の2つの選択肢があるとします。 

”しっくり”くるを方を選んでください。 

しっくりとは、言葉として使いやすいということです。 

 

 (あなたが好きです。 

 (2)あなたと好きです。 

 

 日本人の大半が(1)を選ぶでしょう。ちなみに、文法上では、主語と述語が成立しています。(2)では、日本人はしっくりきません。「う~ん。まぁ、間違いではないけど、、、そのような言い回しは基本的には使わない」のが理由です。初学者にとっては、どちらでも良く感じ、しっくり来るかどうかまでは、わからないかもしれません。 

 

 

 

それでは、(2)の言い回しが、完全に使わないのか、というと、 

そういうわけでもないのです。 

 

(2)あなたと好きです。が、 

(3)あなたと一緒にいるのが好きです。 

 

と表現すると、日本人は、(3)を間違いではなく、 

しっくりくる言葉の使い方であると感じる人が大半です。 

文法上では、主語、述語、補語の関係が成り立っています。 

 よって、日本語を用いる人は(1)と(3)は、しっくりきます。 

(2)は、「う~ん。」と納得のいかない様子が浮かんできます。 

 

 言葉には、その組み合わせによって、自然な使い方があるということです。 

 「言葉なんだ。やればできる。」でおなじみの英語講師関正生先生のキャッチフレーズは、上記の観点から、”構文英語”ではなく、”英会話”をやりましょう。と、言いたいのではないでしょうか。 

 では、その文脈を理解するために、何をするのかというと、「好き」を使ってみて下さい。 

好きな洋楽、好きな洋画の英語字幕、好きなペーパーブックの読了、好きなラジオ英会話、そして好きな英字新聞です。あなたの好きな分野を英語で全部カバーする気持ちで、勉強しなくていいので、触れてみてください。 

 こういった作業は、佐藤優さんの言う、内在的論理を理解することに繋がります。日本語だからと言って、内容についていけなければ、わかりません。もっと言うと、自分の知らない分野で、そこに外国語とくれば、ただでさえわからないのに、もっと、わからないでしょう。なので、あなた自身の「好き」なことで、外国人に、その分野の内容をやり取りする事を目標にしてみては、どうでしょうか?それを理解するための文法は、読んで字のごとく文章の法則なのですから、どの分野の内容でも対応しています。 

 要は、表現するときに、それっぽくなっていれば、いいんです。