ハンセン病と新型コロナウイルス ―人権闘争―

 ハンセン病新型コロナウイルス。この2つは「人権」という視点から見た時に、世間における人道に対する意識を比較してみると、1900年代前半よりも、2020年頃からの対応が、国民の意識が良い方向に変化していることを学ぶことが出来ます。 

 ハンセン病とは、らい菌によっておこる慢性の感染症です。代表的な元患者の名前を挙げると、平沢保治先生です。私と平沢先生との関わりは、大学生の時に人権に関する授業の一貫で東村山市にある多摩全生園でお話を伺ったことです。 

 お話によると、らい菌の影響は、四肢が崩れることもあり身体が不自由になることです。その感染症にかかった人たちに対して、当時の国は”消毒”と称して、白い粉末の洗剤を全身に浴びせることなどを行ったとのことでした。また、そのハンセン病の影響から逃れるために、現在の東村山市にある多摩全生園のような施設を全国各地に建て、その場所で生活することを求められたとのことでした。 

 平沢先生のお話を通して、差別されることへの悔しさや、勇気をふり絞って、其の場に望まれていることを、ひしひしと感じました。その時の、正面にいた平沢先生の姿を鮮明に覚えています。この場をお借りして感謝申し上げます。 

 この新型コロナウイルス感染症対策の各国の対応は、ハンセン病と比較して、格段に、人道に沿った対応となっていることは明白です。また、このことが示す、もう一つの事実は、平沢先生をはじめとする語り部の方々が、分断から結合へと、一日一日を一生懸命に、生き抜いてきたことそれ自体の勝利であると実感しています。